韓国料理でバンチャンが出される理由



韓国料理の特徴の一つにバンチャン(飯饌)があり、メインの料理とは別にキムチやナムルなど数種類の小皿に盛られた惣菜が、まばゆいばかりにずらっとテーブルいっぱいに並ぶ。韓国の食堂などでは無料で出される。原則、おかわりも自由である。

バンチャンが無料でおかわりも自由な理由として、韓国経済が困難な時代、白米はキムチやパンチャンよりもはるかに高価だったということが挙げられている。一杯のご飯を食べ終えてもお腹が満たされないものの白米のおかわりはなかなか言いづらかった背景から、お腹いっぱいに食べてほしいという店側の思いから、バンチャンのおかわりは快く提供していたそうである。今でもバンチャンをおかわりをさせてくれることを韓国では「情」と呼んでいる。


バンチャンが野菜中心の小皿料理なのは、三国時代中期頃の仏教的な影響により、肉を食べることを禁じられていたことによる。

バンチャンの数は身分によって異なったそうで、庶民は3~5種類、両班は7~9種類、王族は12種類のバンチャンを出すのが通例であった。

ソウルの食堂で出されるバンチャンは、他の地域と比較して少なめだと言われている。
一方、全羅道・光州は、外食文化が最も発達してる地域で、提供されるバンチャンの数が多いと言われている。


近年、料理の食べ残しや大量廃棄など、環境問題としてバンチャンを疑問視時代され始めている。また、コスト面の重荷から、自分で食べられる量だけ取れる「セルフサービス」式を取り入れて、ホールサービスの負担も減らしながらコストを抑える工夫をしている店もある。

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