ロックの名盤をご紹介#1 DREAM POLICE

ドリーム・ポリス(DREAM POLICE)/Cheap Trick




チープ・トリックの作品の中から名盤を1枚選ぶのは難しい。
順当に選べば、ライブアルバムの歴史的名盤「at武道館」なのですが、スタジオアルバム縛りでいくと、これは難しかったです。甲乙つけがたい、というか、抜きん出たものが無い、と言うか。


セールスだけで見ると トム・ピーターソン復帰後の「永遠の愛の炎」となるのでしょうが、ちょっとポップス色が強すぎるかな。バンドの魅力が必ずしも発揮されたは言えない出来栄えで、外部ライターを多く起用したのも淋しい気がします。

ジャック・ダグラスをプロデューサーにむかえた1stアルバムは、ヘヴィで個人的には好きなのですが、荒削り過ぎでチープらしくないという声や、メンバー、特にリック・ニールセンは、ジャックのプロデュースに不満を漏らしていました。


2ndの蒼ざめたハイウェイも名作で、隠れた名盤でしょうか。バンドのその後のサウンドを決定づけました。しかし、セールスの実績が伴っていませんね。



やはりここは、武道館に続いて79年にリリースされた、人気絶頂期の4thスタジオ・アルバムのドリームポリスを挙げたいと思います。


"ヴォイシズ""ドリーム・ポリス"をはじめ、彼らの真髄である覚えやすいメロディとコーラスワーク、そして、ストレートなロックンロールがたっぷり詰まっています。
そして、極めつけは、演奏時間9分に及ぶ隠れた名曲"ゴナ・レイズ・ヘル"です。重たい曲調が続き、後半でのロビン・ザンダーの鬼気迫る熱唱は圧巻で、彼の卓越した才能を存分に堪能することができます。当時、ベイ・シティ・ローラーズから流れてきたと思われる、ロビンの甘いルックスから"甘い罠"や"ヴォイシズ"などの甘い世界を期待していた女の子達は、悪夢を見たかもしれませんね。後のグランジやオルタナ勢に多大な影響を与えた曲だと思います。
ちなみに、バラード曲のVOICESのヴォーカはトム・ピーターソンの予定であり、クレジットにはありませんが、アコースティックギターとソロはスティーブ・ルカサーによるものです。


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